日ハム大谷 故障離脱でもメジャーの評価は「高騰」の根拠



 左太もも肉離れで戦線離脱中の日本ハム・大谷翔平(22)。そもそも右足首を痛めて全力疾走できない選手を、なぜ実戦で起用したのかという批判が噴出しているが、一方で今回のケガは本人にとってむしろプラスとの見方がある。

「試合に出てくるのは5月下旬か6月上旬。けれども、右足首痛の原因になっている三角骨を手術で除去するわけではないので、下半身の不安は解消されません。そんな状態で投手にチャレンジすれば、肩や肘まで痛める可能性がある。今季は復帰後も野手に専念することが条件ですが……」と、ア・リーグ東海岸の球団のスカウトがこう続ける。

「大谷の最大の売り物はあれだけ速い球を投げながら、投手としての生命線である肩と肘にいまだ大きな故障がないことです。昨シーズン、約2カ月間、先発から遠ざかった時期に肩か肘を痛めたというウワサが流れたのですが、調べた結果、異常はなかった。花巻東高時代は骨端線損傷を患って1年近く投手ができなかったし、プロ入り後は少しでも不安があれば登板を回避してきた。ただでさえ大谷の肩や肘は他の投手と比べて使い減りしていないうえ、今年1年間、野手に専念すれば肩、肘を休ませることになる。これは大きいですよ」

 スポーツライターの友成那智氏も「肩と肘を温存できるのはメジャーと契約するうえでプラスになる」とこう言った。

「メジャーでは肘の靱帯を再建するトミー・ジョン手術を受ける投手が後を絶たないため、投手の肘には異常なほど神経を使うようになった。特に25歳未満の投手はどんなに才能があっても、年間の投球回数を160に抑える球団が増えているほどです。日本人投手も松坂、ダルビッシュ、田中が肘の靱帯を痛め、3年しかもたないといわれている。肩や肘の消耗が少ないうえに、1年間休ませることができれば、大谷の投手としての評価は上がると思いますね」

■打者としてのオファー

 大谷に対しては、メジャースカウトの間で一時は「総額300億円」の声も上がった。「300億円」はあくまで165キロを投げる投手としての評価だったが、戦列復帰後、野手に専念してそれなりの成績を残せば、その価値はさらにアップする。前出のスカウトがこう言う。

「大谷の打者としての強みはパワーがあって、なおかつアベレージを残せること。昨年のWBC強化試合で、プロ野球の球より飛ばないWBC公認球を、右中間上段やドームの天井まで運んだのは日本で大谷ひとりでしたからね。それにボールを正確に捉えられるのは、通常の打者よりも打つポイントが近いから。体の近くまでボールを呼び込めるので、ツーシームやカッターなどメジャーの動く速球にも対応できるはず。復帰後、打者に専念すれば、とてつもない数字を残すと思いますけどね」

 昨年は104試合で打率.322、22本塁打、67打点。約2カ月間、野手に専念したのがキャリアハイの本塁打につながったが、昨年以上に打席に立つことで、より一発も増えるというのだ。

「大谷が今季、打者に専念してかなりの数字を残せば、メジャー球団は評価を上げざるを得ないでしょう。新労使協定で25歳未満の選手は契約金を制限されるため、大谷獲得には資金力の乏しい球団も含めてかなりのチームが手を挙げるのは確実です。これまでなら投手としてしか評価しなかった球団も、打者としてのオファーを入れるようになるのではないか。例えば投手として160イニング、野手として200打席使うという条項を契約に盛り込むとかね」とは前出の友成氏。

 メジャーは大谷の才能を高く評価しながら、しかし、投手と打者の二刀流に関しては必ずしも現実的と捉えているわけではなかった。が、野手としての実績をアピールすれば状況も変わる。投げて打ってが当たり前の大谷の意に沿うような球団も出てくる。

 栗山監督は大谷の離脱を受けて、「シーズンが終わったときに(ケガによる離脱を)生かしたと思えるようにするしかない」と話した。その言葉通り、復帰後の起用法と結果次第で、ケガで離脱したからこそメジャーの評価が上がる可能性もあるのだ。

引用:日ハム大谷 故障離脱でもメジャーの評価は「高騰」の根拠


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