“阿部潰し”の刺客マギー 由伸巨人「春の無情劇」第2幕、昨年の“標的”村田は見事



 12球団の春季キャンプが1日に始まり、巨人は宮崎市でスタート。高橋由伸監督(41)就任1年目の昨春は、事実上の“構想外”となっていた村田を三塁の定位置から引きずり下ろすべく、16歳年下の岡本が“刺客”として差し向けられたが、目の色を変えたベテランが牙城を守り抜いた。今春は配役と趣向を替えた第2幕。17年目を迎える生え抜きの阿部慎之助内野手(37)に、日米で実績十分の新助っ人、ケーシー・マギー内野手(34)=前米大リーグ・タイガース=が襲いかかる。 (笹森倫)

 高橋監督はすがすがしい表情で初日を迎えた。1月31日に宮崎入りすると、その足で恒例の宮崎神宮へ向かい、チーム全体でキャンプの成功を祈願。

 「ベテランを含めていい競争をして、強いチームになってほしい。ポジションが決まっているのは(遊撃手の)坂本くらい。いい選手を使っていきたい」と高いレベルでの定位置争いを期待した。

 最大の激戦区となるのが一塁と三塁だ。2013年の日本シリーズで巨人を破ったときの楽天の強打者、マギーが4年ぶりの日本球界復帰で参戦。参拝後に宮崎市内のチーム宿舎で入団会見し、「あの日本シリーズはすばらしかったし、巨人が日本球界でどういう位置づけのチームかを学ぶことができた。そんなチームに入れて、とてもワクワクしている」と心情を語った。

 同席した高橋監督は「楽天でプレーしていたときは私も選手として戦ったが、シュアな打撃、勝負強さを主力の一員として十分発揮してくれれば」。思惑通りになれば、昨季正一塁手の阿部か正三塁手の村田、どちらかがはじき出される。

 1年前のキャンプでは村田が瀬戸際にいた。高橋監督は昨秋の就任後、2年連続で精彩を欠いていた村田の名を期待の選手に挙げることもなく、球団フロントは「移籍の意思があるかどうかまで聞いた」(球団関係者)。代わりに猛プッシュされた有望株の岡本がオープン戦で優先起用されたが、打率1割台と追い風に乗れず。開幕スタメンを死守した村田は、そのまま公式戦全143試合に出場し打率・302、25本塁打と3年ぶりに好成績を残した。

 「結果がすべて」が信念の高橋監督に渾身の回答を突きつけた村田と、阿部の立場はこの1年で逆転したといえる。

 昨春キャンプで新生巨人の“1丁目1番地”は、阿部の一塁手から捕手への再転向だった。指揮官は全幅の信頼を置いてマイペース調整を認めたが、故障で出遅れ開幕から50試合欠場。捕手復帰も棚上げとなり、チームづくりは根幹から見直しに。信頼を裏切った形となった。

 今春阿部に送り込まれる刺客は、岡本と違い百戦錬磨だ。推定年俸2億円弱と元手もかかっている。標的が村田止まりなら、ここまで念を入れるだろうか。昨季なかなか固定できなかった4番に収まったのは結局、戦列に戻った阿部だったが、指揮官の評価は「4番を任せられる選手を」と補強を要望したことに表れている。チームの大黒柱とがっぷり四つに組ませるため、実績があるだけでなく守備位置が重なり、年齢も近いマギーに白羽の矢を立てた、と考えるのが自然だろう。

 会見でズバリ4番を打ちたいかと問われたマギーは困った表情を浮かべ、「答えるのがとても難しい質問だ。いいプレーへの意欲、自分の力を証明したい気持ちはあるが、役割は監督が決めること」と優等生コメント。

 ただ、元巨人ヘッドコーチで夕刊フジ評論家の須藤豊氏は、マギーの4番構想に否定的だ。「巨人で最も投手に嫌がられる打者は誰か。おのずと阿部になる。合同自主トレで小林に責任を持っていろいろ教えたのも、『今年ダメなら』という覚悟の表れ。最後の一息に期待するべきだ」と力説。さらに「若手に道を譲るならまだしも、いつまでいるか分からない助っ人の代わりに、阿部か村田がスタメンからはじかれるようでは、チームはまとまらない」とベンチの和への影響も懸念する。

 阿部はこの日の参拝後、「いよいよ始まる。人のことは気にしてられない」と静かにまなじりを決した。村田は岡本の挑戦を退け復活の原動力とした。自身は通算2000安打がかかるメモリアルシーズンを前に立ちふさがった最強の刺客、マギーとこのキャンプでどう渡り合うのか。

引用:“阿部潰し”の刺客マギー 由伸巨人「春の無情劇」第2幕、昨年の“標的”村田は見事死守したが…


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