「まわりが見えていた」 高安が「先手」を取って白鵬撃破



 横綱を前にして、高安はわずかな違いに気がつく余裕があった。向かい合った白鵬がいつもよりやや前進して仕切ったのを見て「近いのがわかったから、自分は少し下がった」。持てる馬力を最大限ぶつけるために-。

 はじき飛ばすように右から思い切ってかちあげた。「先手を取らないと横綱には勝てない」とまわしには目もくれず、小気味いい突っ張りを胸のあたりに繰り出し、前へ前へ。左にまわってしのぐのが精いっぱいの白鵬は棒立ちのまま、土俵を割っていた。

 過去15度やって1度しか勝てていなかった横綱を圧巻の相撲で撃破。「まわりが見えていたから」。乱れぬ心が勝利へ導いてくれた。

 26歳は着実に経験を積み重ねている。果たせなかったが大関取りにも挑み、心に波立つことは少なくなってきた。その証拠に明らかに変わったのが仕切りだ。

 新関脇ながら10勝を挙げた昨年9月の秋場所。数年前から続けてきた制限時間いっぱいでパチーンと両手を打つルーティンをやめた。「自然とやらなくなった。淡々と仕切れているからいい」と手応えを語る。

 殊勲の勝利は、初優勝を目指す兄弟子の稀勢の里への援護射撃ともなったが「一番は自分のため」と力を込める。それもそのはず。星数を伸ばし、再び大関の地位に挑戦する夢が高安にはある。(藤原翔)

引用:「まわりが見えていた」 高安が「先手」を取って白鵬撃破


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